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アドテクスタジオはエンジニアにきちんと裁量を与えてくれる組織 ~ベストエンジニアインタビュー 福原 真~
こんにちは、アドテクスタジオ 業務推進室の伊藤 淳貴(@wildtiger0713)です。
前半期に続き、10/19(木)に行われたサイバーエージェントグループ総会 2018上半期にてアドテクスタジオから「ベストエンジニア賞」受賞者が生まれました!
プロダクトとしても最優秀CAJJ賞(特質すべき成果をあげた会社、事業部に与えられる賞)を受賞した株式会社AMoAdの「AfiO」でエンジニアリングマネージャーを努める福原 真(ふくはらまこと)に担当しているミッションや大切にしていること等、普段聞けない話を聞きだしてきました!(インタビュアー:サイバーエージェントグループ総会 2016 ベストエンジニア賞受賞 長谷川 誠 / アドテクスタジオ 業務推進室 伊藤 淳貴)
— まずはAfiOの最優秀CAJJ賞おめでとうございます!早速ですがAfiOはどういったプロダクトなのでしょうか?
AfiOはノンインセンティブCPI課金型の動画アドネットワークで、クリエイティブとしては動画を扱っていますが動画広告に多いブランドリフトを狙ったものではなく、ダイレクトと言われる獲得系のアドネットワークです。動画広告はバナーのようにクリックしてランディングページに飛ぶようなものだとまだユーザに十分に認識されていないので、視聴して満足されてしまいがちでなかなかクリックしてもらえず、獲得系とはどうしても相性がよくない部分がありました。これに対し、市場では動画視聴に成果をつける「ビュースルーコンバージョン」の仕組みが受け入れられ始めたことに着目し、このモデルを採用した動画アドプラットフォームとして2017年2月にスタートしました。また課金をCPCでなくCPIとすることで動画のクリエイティブ製作をプロダクトに任せてもらい、社内のクリエイティブ局やグループ会社の渋谷クリップクリエイトなどと共同で良質なクリエイティブを制作し広告効果を高めていくことができることを強みにしています。
— 所属チームの表彰に加えて個人でのベストエンジニア賞。改めておめでとうございます!
まず今回のベストエンジニア賞の受賞はAfiOがプロダクトとして成長した恩恵が大きいので、個人での受賞はおまけみたいなものかなと思ってます。開発陣はもちろん、立ち上げから一緒に進めてきたビジネスメンバーの仕事が評価されたことが素直に嬉しいです。ただ、AfiOを一緒に立ち上げてきた藤田 和司(アドテクスタジオCPO)さんから「こういった表彰は必ずしも自分がすごく頑張って、やり切ったと思う瞬間に取れるものではない」という言葉ももらったので、自分の中でも前向きに受け取りたいと思っています。
— 福原さんのAfiOでの今の役割やミッションを教えてください
今は開発責任者としてエンジニアリングマネージャーに振って動いているのでプロダクションコードは書いていません。もっとチームマネージメントに長けてうまくメンバーに権限移譲ができれば、自分も実装にまで手が回せるのかもしれませんが、何だかんだで自分で抱えてしまう部分もあるので今はマネージメントに振り切ってやっています。 ただマネージメントも実際やってみると面白いものですね。今はそう思いながらやらせてもらっています。
— スキルアップゼミ(*)のほうでもマネージメントスキルを研究されていますよね?
はい。「マネージメントも技術」という渡辺 雄作(アドテクスタジオプロダクトマネージャー)さんの言葉に感銘を受けてマネージメントについて学ぼうと思い、エンジニアリングマネージメントゼミでの活動に参加しました。1 on 1
、アジャイルコーチング
、 Management3.0
など色々な手法を知るにつれ「確かにこれは技術があってエンジニアリングだな」ということを理解し、我流だったマネージメントを振り返る良いきっかけになったと思います。開発責任者などの役割になってくると自分のこと以外で、チームやメンバーに関する悩みや課題も多くなってきますが、そういった技術を身に着けることで、技術で自分の悩みや課題を減らしていく、それによって自分の仕事もスムーズに進められるようになっていけたらいいなと考えています。
(*)スキルアップゼミは研究の成果を事業に活かすことを目的としたアドテクスタジオの研究活動の一つ
— メンバーをモチベートしていく上で特に意識されていることはありますか?
既に導入しているチームも多いかと思いますが、1on1は定期的にやったほうがいいと思っています。何をするにしてもまずはメンバーの話をきちんと聞くことからだと思うので、僕の1on1はメンバーに自分が話したいことを持ってきてもらってそれを傾聴すること、壁打ち相手になることに重きをおいてやっています。ほんとはもっと頻度を上げられればいいのですが、今は10名ほどのメンバーと月1のペースでやっています。一人ひとりと真剣に対話するのでそれでもある程度時間も割かれますが、きちんと時間を取るようにしています。チームビルディングを突き詰めていくと、エンジニア出身者でなくコードを全く書けなかったとしても、それに特化したスキルを持った人としてそれだけで仕事が成り立つと思えるくらいの深さを感じます。
— エンジニアならコードを書き続けていたいと思う人は多いと思いますが、それ以外にもチームにとって必要な知見やスキルはありますよね?
そうですね。例えばアドテクスタジオではエンジニアも技術だけでなくプロダクトやビジネスを考えることが求められますが、どれだけ技術が好きな人で技術だけを追っていたくても、自分の仕事が事業に貢献してない状態というのは非常に心苦しいものだと思います。 だからプロダクト開発をしているエンジニアは自然と事業や売り上げにも興味が湧いてくるものだと思いますし、チームマネージメントも実際にやってみると面白さが分かると思います。
— 1on1以外でチームに取り入れたマネージメントツールはありますか?
権限移譲がどうあるべきかを考える時にManagement3.0の要素であるデリゲーションポーカーを取り入れました。また、今がちょうど目標設定の時期なので、メンバー全員が目標シートを持って集まって、一人ひとりに共有して回しあい、一言ずつコメントを書きあうというのをやってみようと考えています。誰がどういった目標を立てて何を大事にして働いているのかを可視化させるということでは、手法は違いますがManagement3.0のムービングモチベーターズと同じようなことかと思っています。他にもやれることはいろいろあるのだと思いますが、一人ひとりのやりたいことや得意なことと、会社や組織が求めている価値をすり合わせていってあげるのがマネージメントの役割だと考えています。
— 今後も継続してマネージメントに振り切ってやっていくのですか?
いえ、今のチームは長く所属していることもあり自分で書いたコードも多くシステム的な勘所もあるのでマネージメントに振ってもやっていられるのですが、システムへの勘所が自分の中にない状態はよくないと思うので、次に新しいプロジェクトを立ち上げる時にはまた自分でコードを書くこともしていきたいと考えています。もしコードを一切書かない方向に振り切るのであれば、プロダクトや事業自体に責任を持つような立場まで担えるレベルまで頑張っていく必要があると思っています。
— 最後にアドテクスタジオ、及びこの記事を読んでいるエンジニアに向けてメッセージをお願いします。
アドテクスタジオはエンジニアに裁量を与えてくれる組織です。組織に至らなさを感じていたり、改善したいことがあったり、新しいことを初めてみたいと思う気持ちがあれば、まず自分から動いて自由にやってみることが推奨される文化です。そういった気持ちでアクションを起こす人を怒ったり咎めたりする人はこの組織にはいないと思いますので、自分たちの働きやすい環境は自分たちで作り上げていける組織だと思います。
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