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本気で向き合うこのプロダクトで、市場に一石投じたい
時流のチャンスポイントにしがみつき、
とことんハマってスキルを自分のものにしていく
今までの経歴について教えてください
僕、実は、もともと料理人だったんです。下北沢のイタリアンレストランで働いていました。
その料理場がめちゃくちゃスパルタで、すごく厳しい環境だったのですが、ここでいわゆる「根性」だったり、
「誰かが教えてくれるのを待つのではなく、師匠の背中を見て自ら自発的に学んでいく」みたいな社会の基本を学んだ気がします。
ー3年後、転換期が来る
インターネットの波が来始めた2008年当時、中村勇吾さんというクリエイターがFLASHを使って、
ユニクロのものすごく格好良いサイトを作ったんですね。自分の中でとにかく衝撃でこれは来る!!と直感的に感じ、
独学でFLASHを勉強してサイトをたくさん作って実績を作り、未経験で制作会社に飛び混みました。
1つのことにハマるととことんそれを追求してしまうタイプなのですが、それを代表する最初のエピソードです(笑)
制作会社に入ってからは、未経験の営業/ディレクション/コーディング、全部をやりました。
社会人として未経験だったので、アポに行ったら、毎回社員に自分の点数をつけてもらうなど、とにかく泥臭いことをしていました。
しばらくたった時、時代の流れでFLASHで作っていたものを全てJavascriptに作り変えるというタイミングがきたのです。ここでJavascriptに出会い、これがまた衝撃で、これならスマホでFLASHと同じことが再現できるから来るぞ!という気持ちになったのですね。
ちょうどその時期にiphoneの発売もあり、スマホの波を想像した時に、当時スマホに力を入れている会社に入るのが良いんじゃないのかな、と思っていろんな会社を探しているうちに、サイバーエージェントを見つけました。
ー必要な能力を逆算する
ここから自分は特殊なのですが、
「自分がサイバーエージェントに入社するには、何が足りないんだろう?」というのを逆算して、1年くらい、自分に足りないものを克服していったのです。
具体的にはプロデューサーが若い方が多いイメージだったので、ざっくりした表現で依頼されても期待を超えるアウトプットができるように、聞き出し力やそれを再現する技術力。NBUの立ち上げが見えて来た頃には、100個のサービスを作るとうたっていたので中途採用が激化し、混沌とすることが想像出来たので調整力など。
入社時期もその(※1)NBUの募集に合わせて狙いを定めていました。
当時意識していたのは、とにかく受け口広く、チャンスを逃さないぞという気持ち。
その時その時のチャンスポイントにのめり込んで、しがみついて、スキルを自分のものにしていくということ。
この気持ちは今も変わっていません。そして1年後、NBUの中途一期組でサイバーエージェントに入社をしました。
(※1)NBU:スマホアプリ事業部。のちにアメーバ事業部と合併。
CAに入ってからは、どのようなご経験を積んだのですか?
フロントエンドエンジニアとしてたくさんのプロダクトを作りました。
その後アメーバ事業部を経て、コミュニティ本部に異動するのですが、ここでまた新たな衝撃的な出会いを果たします。
広告を使ったマネタイズに出会うのですが、今まで経験したことのなかったメディアの収益化という仕事の奥深さにどんどんハマり、広告プロダクトを開発しているアドテクスタジオに来るきっかけになりました。
もちろん仕事内容もそうなのですが、実はアドテクスタジオに来たのは1つ自分の戦略でもありました。
メディア部門にはたくさんのディレクターやクリエイターがいますが、アドテクスタジオにはクリエイティブに強い人がそこまでいなかったんです。これこそがチャンスだと思い、ここで何か実績を作れたら自分は第一人者になれるのではないかな、と。
で、今の仕事に至ります。
実際にtoBサービスに来て思ったのは、とにかく範囲が広がり、様々なメディアと関わることができること。メディアの成長のさせかたも多種多様。マネタイズに関してもいろんなトライができる。
そういう意味で、「広告プロダクト」という観点では良い商品開発がしやすいと思ってます。
実際にアドテクスタジオに来てよかった点は?
現在は、ProFit-Xという(※2)SSPの広告プロダクトのチームにいるのですが、
アドテクスタジオに来て良かったなと思うことの1つは、プロダクトの近くにAILabという研究組織があること。
実際にProFit-Xも研究者の安井さんに入ってもらい、1ランク上の知見のもと、クリエイティブ検証をするにもただのABテストではなくバンディットアルゴリズムを使ったりとか、ProFit-Xの配信ロジックは機械学習を多く取り入れていて、他の事業会社とちょっと違ったSSPだと思います。
アドフォーマットのクリエイティブの自動生成をやりたいなって思った時に、まさに広告クリエイティブ自動生成の第一人者となるリサーチサイエンティスト山口さんもいてしまうわけだし。
普通に生活してたら聞けないような切り口がすごいあって、これは本当に強みだと思います。
(※2)媒体側の収益を最大化させるためのプラットフォーム(Supply-Side Platform)のこと
チーム全員で自分たちをアップデートしていく
目指すは一枚岩で戦う本質的なプロダクト作り
現在の仕事内容を教えて下さい。また、日々の仕事で意識していることはありますか?
現在は、ProFit-Xという広告プロダクトの商品企画とアドフォーマット開発をメインに行なっています。
自分でもパッションが止まらない時は営業にもついて行きます(笑)色々やっていますが、どんなプロダクトにしていきたいか、は常に考えています。そのために市場感をキャッチアップしないといいものは絶対作れないし、メディアの意見が命だったりします。最初はとにかく焦りました。
本当に他社のプロダクト開発者と話すと信じられないくらい市場に詳しくて。えー!俺この人たちと戦うの!?みたいな気持ちになりました。
事業責任者はクライアントとの会食の機会も多く、生の情報をすごく持っていて。で、自分はどうやったらその人たちに勝てるのかな、チャンスポイントを当てられるのかなと思った時に、やっぱり自分がいる畑の情報を片っ端からインプットしていくしかなかったんですよね。
結局プロダクトを作るには、一番その市場に詳しくないと絶対いいものは作れないです。とにかく情報を入れて、決算資料を読んだりとか、当たり前ですがその辺のことは本気でやっています。
実はアドテクスタジオの社内向けに作っているChatwork、Slackの「AdtechNewsチャンネル」はそんな思いから自分で作ったものなんです。アレ、僕が読んだ記事でシェアしたいのを手動で投稿しています。(笑)
2年くらい、チームに公開してて、ここ最近他のプロダクトからの要望も多く全体にも公開するようになりました。今後は、例えば前日のクリック多かった記事ランキングとか、決算資料の噛み砕いたものを投稿したりしたら需要あるかもな、なんて思っていたりします。元ProFit-Xで、現在は新規事業に携わっている小栗さんも一緒にマーケット情報を流してくれていたりします!
チームで何か取り組んでいることはありますか?
1ヶ月前くらいから始めたことなんですけど、やっぱり、プロダクト作りにおいて、どこがチャンスポイントになりそうか?ってみんな責任者の判断待ちってしまうんですよね。でもそれって、本当はメンバー自ら自発的に取りに行かなきゃいけない。
次のチャンスポイントがどこか、待ってちゃいけないんですよね。
いいプロダクトを作る時に一つの脳で考えるより、複数の脳で考えたほうがいいものづくりが出来ると思っています。あと大事なのが、事業責任者はみんな答えを持ってると思われがちなんですが、一概にそうでもないんです。答えは持っていなくて、でも死ぬほど考え抜いている。そこが違いなのです。
ただそもそも、そこを可視化しない何も伝わらないんじゃないかなと思っていて。
僕のチームで始めたのは、事業責任者の中原さんと僕の商品企画会議の様子を、チームメンバーにライブ配信することにしました。エンジニア&営業、自分の見たいタイミングでライブでも録画でも見てもらえればOKなスタンスです。
プロダクトのどこがチャンスポイントだと思ってるか?でも現実はどこまでふわっとしているのか?
など丸裸にすることで、納得感や、逆に焦りを感じて自ら動いてくれちゃうかも、とか。
まだトライの段階ですが、良い効果があると嬉しいです。
ビジネスサイドと開発サイドの関わり方に関して何か意識していることはありますか?
プロダクトっていいもの作っても、売るのは営業なんですよね。なのでここは責任を持って自分も一緒にやっていく気概でいます。
意識しているのは、人それぞれ強みと弱みがあるということ。
でもお客さんから見た時に、トータルで強いチームでいることが重要ということ。
人それぞれ、新規開拓が得意だったり運用が得意だったり、でもクリエイティブや広告の知識にまだ自信がなかったり、とか色々あると思うのですが、僕はその営業メンバーの技術やクリエイティブに関して自信がない部分に対しては、責任を持って補っていこうと思っています。
イメージは、戦に向かう戦士に刀や武器を授けるような感じです。で、いってこーい!!!と背中を押すと、とにかく受注しまくってくれる。
うちのメンバー、営業力、すごいんですよ!
そして刀は研がないとよくならないですが、その研ぐ作業を一緒にやって繰り返してまた新しい良い武器を作っていく。お客さんのフィードバックを元に分析、機能改善などをしていくイメージですね。こうやって一緒にサイクルを作っています。自分がお客さんでメディアの担当者だったらどう思うか、とかもフィードバックするようにしていて、それはメディア運営側の経験があって良かったなと思っています。
同様に、ProFIt-Xの開発チームもとにかくすごいです。これやりたいといったら実現してくれちゃう超優秀チームです。いろんなものが自動化され、今まで時間がかかってしまっていた部分がなくなり、どんどん本質的なことに時間を割ける。本当にありがたいです。
また、開発チームの目標がどうやったら(※3)CPMが上がるか。になっていて、ここをチューニングしたらとか、こういう配信方法にしたらとか、ビジネスサイドでは思いつかない施策がたくさん出てきたりして、わくわくしますね。
(※3)1,000回表示あたりの広告コスト
本気で向き合うこのプロダクトで、
市場に一石投じ、ホームランを打ちたい
将来的に、どんなクリエイターになりたいなどの理想像はありますか?
僕、クリエイターとしてどうなりたい、とかはないんですよね。
チームの目標があって、その目標に対しどのように自分のバリューを発揮するか。
そしてそのバリューの幅をどんどん広げていきたい。それだけなんです。幅がどんどん広がることが職能が上がることだと思っています。
今はディレクター、コーダー、デザイナーが中心ですが、マーケティングあたりにも今視野を広げています。で、またどこかで時流の波でコレっていうハマることが現れたら、今とは全然違うことをしているかもしれないですね。ぜひ今の若手にも、チャンスポイントをつかんで、どんどん幅を広げていくことをオススメしたいです。
今、実現したいことは?
実現したいことは、今までデジタルマーケといえばDSPの進歩が中心で、メディア側の進歩ってそこまでなかったんですよね。アドテクってメディアのためにある技術なのに。だからこそ、メディアのテクノロジーの進化をうちらがやっていくんだ、そしてよりメディアの価値を変えていきたい、という思いが強いです。
当たり前のあり方に、一石投じて、メディアがもっと持続的に収益化出来るマーケットを作って行きたいと思っています。
世の中の競合プロダクトに比べると、本当にチーム全員ですごく考え抜いているからこそ、今そのこだわりが、少しずつ勝算に繋がり開花し始めている。
そんなこれからが、楽しみです。
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