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KubeCon + CloudNativeCon NorthAmerica 2017 @Austin recap


こんにちは。

アドテクスタジオ CIA の 青山真也 です。

本日は KubeCon + CloudNativeCon 2017 の話をしたいと思います。
資料はちょこちょこ公開していましたが、ブログを書くのが遅れてしまいました。
にしても、Kubernetes 楽しいですね。

 

KubeCon 2017 の概要

KubeCon + CNCon は半年に1回開催されており、今回は大幅に人数が増え 4000 人満員御礼でした。
Kubernetes が事実上のデファクトスタンダードとなったことにより、注目度も非常に高くなったのだと思います。

CNCF が提供する CloudNative Landscape も 1.0 となり、Fluentd や CoreDNS、その他多くのプロジェクトが 1.0 リリースを発表しました。
これは事実上、CNCF からの CloudNative はもう準備完了というメッセージのようですね。
他にも ServiceMesh を実現する Istio や Conduit、Serverless を実現する Fission、kubeless、OpenFaaS などの注目度が高かった印象です。

今回の会場はテキサス州オースティンだったため、時差的には +0900 から -0600 の差(15 時間の時差)があるため 12/4 は 39 時間ありました。
2018 年は下記の日程で開催予定です。
皆様コペンハーゲンでお会いしましょう。

  • KubeCon + CloudNativeCon Europe 2018
    • コペンハーゲン デンマーク
    • 2018/5/2-4
  • KubeCon + CloudNativeCon China 2018
    • 上海 中国
    • 2018/11/14-15
  • KubeCon + CloudNativeCon North America 2018
    • シアトル アメリカワシントン州
    • 2018/12/11-13

 

Keynote

Keynote では様々な企業での Kubernetes や CNCF がホストしている Cloud Native を促進するプロジェクトの事例が多々紹介されていました。
また、CNCF が保有する各プロジェクトのアップデートやコミュニティの活発さも紹介されており、非常に盛り上がりを見せていました。

社内向けに作成した Keynote 1 日目 + αの資料を挙げてありますので、詳しくはこちらを御覧ください。

 

 

CI/CD 周りのセッション

今回の KubeCon では、「CI/CD 関連」「ServiceMesh(Istio / Conduit)」「Network や OpenStack 周りの SIG」「Serverless(Fission / Kubeless / OpenFaaS)」辺りを中心に聞いてきました。

社内的には CI/CD 周りの改善が望まれていたため、こちらも上記の社内向けに作成した資料に挙げてあります。以下簡単に概要だけ記載しておきます。

 

Using Containers for Continuous Integration and Continuous Delivery

Jenkins と Kubernetes の Integration の話。Groovy で PodTemplate のような記述を行って、build task をコンテナとして起動することができるようです。

 

Deploying to Kubernetes Thousands of Times Per/Day

Kubernetes に対して高速な開発を行なう際に注意すべき4つのポイントの話。具体的かつ体系だって説明がされており、Kubernetes を開発に取り入れる場合には是非見てほしい内容です。

 

Continuous Delivery with Kubernetes at Box

Kubernetes クラスタに Agent を仕込んでおき、Agent が Github 上の Manifest を監視して自身の Kubernetes クラスタを更新する方式で CD を行なう話。新規クラスタに Agent を入れるだけで復旧できるなど、Github をベースとした CD 環境を構築できるため、後術する GitOps などとも近い印象。

 

Microservices, Service Mesh, and CI/CD Pipelines: Making It All Work Together

Istio と BRIGATE (+ kashti)を使った、高度な CI/CD パイプラインを構成する方法。Istio を使うと Canary ・Chaos テスト・Fault Injection・レスポンスタイムなどの集計などができ、BRIGADE を組み合わせると Istio と連携しつつコードによるPipeline 定義をはじめとして、様々なことができるようです。使いこなせたらかなり良い Pipeline 環境にできそうです。

 

Building Better Containers: A Survey of Container Build Tools

Dockerfile では様々な問題があるため、多々ある別のイメージビルドツールの調査結果の話。packer のような方式のイメージビルドツールもあれば、ソースコードから直接イメージを作成するようなツールなど多岐に渡って紹介されていました。

 

GitOps – Operations by Pull Request

GitHub (Pull Request)を利用した Kubernetes 環境への CI/CD パイプラインの作り方の話。非常に分かりやすく、CI/CD パイプラインを考えるなら、このセッションか 2 日目の Kelsey Hightower さんの Keystone 辺りは非常に参考になります。

 

Developer Tooling for Kubernetes Configuration

Kubernetes の Manifest ファイルの Validation と Unit Test を kubeval と kubetest を使って行なう話。CI 時にある程度テストをしておくのは有用かもしれません。

 

Webhooks for Automated Updates

Rancher の Webhook Framework を使って DockerHub の更新時に Kubernetes クラスタの更新を自動化する話。

 

また、先日「@市ヶ谷Geek★Night #16 Kubernetes Christmas!」 でお話させていただいた CI/CD の話では、これらのセッションと CyberAgent での話を混ぜ合わせて CI/CD の話をさせていただきました。

 

 

日本交流会@Austin

今回 KubeCon に参加するにあたり現地で日本交流会を主催させていただきました。著名な方々を含む 33 名もの方々にお集まりいただき、貴重な意見交換ができて良かったです。@tnir さんによると KubeCon 2016 の日本人参加者は 3 名とのことなので、最低でも 11 倍になったようです。非常に盛り上がりを見せていますね。

KubeCon + CloudNativeCon Europe 2018 に行かれる方がいらっしゃいましたら、ぜひコペンハーゲンでお会いしましょう。

 

 

その他

Certified Kubernetes Administrator に合格していると RX-M 様のスポンサーブースで CKA の Tシャツをいただく事ができました。

 

また、KubeCon + CloudNativeCon の多くのセッションは動画が公開されています。興味のあるセッションがあれば Youtube の字幕機能を使いつつ見てみるといいかもしれません。

 

そして KubeCon + CNCon EU 2018 へ

弊社ではオンプレ環境に GKE ライクな Kubernetes 基盤を構築しています。Kubernetes にパッチを宛てて Hardware LB との連携を行ったり Ingress Controller の実装などを行い nginx-ingress / nghttpx-ingress ベースの GKE ライクな Ingress Controller を作成しました。今後はこういった事例で登壇も目指していきたいと思います。

日本からも Kubernetes や Cloud Native を盛り上げていきましょう!

 

 

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