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【テック企業における経済学と機械学習】日本経済学会でオンライン登壇
こんにちは!
AI事業本部人事の得津です。
この度、研究開発組織「AI Lab」の経済学チームのリサーチサイエンティストと、
広告配信プロダクト「Dynalyst」のデータサイエンティストが、
今週末の5/30(土)31(日)にオンライン開催される日本経済学会春季大会のセッションに登壇します。
テック企業において経済学はどのように活用されているのか、因果推論や強化学習の応用例についてお話いたします。
※昨年行われた秋季大会の様子はこちら。
AI Labの経済学チームでは、経済学において培われてきたデータの見方や人の意思決定の分析方法などを用いて、
より質が高く効率的な意思決定をもたらせる技術の開発を目指し、経済学を活用した次世代の意思決定技術について研究を進めています。
■経済学チームリーダー安井(『効果検証入門』著者)のインタビュー
3月には、「AI Lab」にて培ってきた因果推論と機械学習の融合に関する知見を元に提案した手法を「Dynalyst」の広告配信技術へ応用し、実際に広告配信が効率化された結果を示した研究論文が「The Web Conference 2020」に採択されるなど、プロダクトへの実応用も進んでいます。
また、現在Yale大学や慶應義塾大学との共同研究も行なっています。
Yale大学の成田助教とは、「経済学・因果推論と機械学習の融合」について共同研究を進めており、共著論文が人工知能分野で権威ある国際会議「AAAI 2019」にて採択されるなど、機械学習・経済学の両方の分野から注目されております。
慶應義塾大学の星野教授とは、現在では主にリテールテック領域での広告効果の推定について共同研究を進めております。
今回の日経学会がオンラインでの開催となったため、通常に比べると参加者の方々とお話する機会が比較的少なくなることが予想されます。
そのため、皆さまとカジュアルに会話できる場があればと思い、
弊社のセッション後に発表メンバーと話せる場として、日経学会の参加者対象に、
弊社独自でZoomを用いたコミュニケーションタイムをご用意いたします。
セッション中は時間が限られておりますので、ぜひこの場で発表に関することに限らず、
テック企業×経済学の働き方やAI Labについてなど、何でもご質問いただけると嬉しいです。
途中入退室も可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください!
参加ご希望の場合は、事前申請が必要となりますので下記よりお申し込みください。
コミュニケーションタイムは弊社のセッション後17:50〜18:45頃までを予定しています。
ご質問の数によって終了時間が早まる可能性もありますので、予めご了承ください。
事前参加申し込みフォームはこちら
※申し込み期限は、5/29(金)18:00まで(日経学会の参加者が対象となります)
※日本経済学会の公式イベントではありません
日本経済学会とは、文字通り日本の経済学に関する学会で、1934年に組織されました。
現在では経済学者やエコノミストに最新の情報を提供する場となっております。
今回の春季大会は当初、九州大学での開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、日本経済学会が開催する初めてのオンライン大会となりました。
日本経済学会での発表内容
当社からは下記のセッションで登壇します。
午後の部② 企画セッション4(チュートリアル)
5/30(土)15:50-17:50 @オンライン会場⑤
テック企業における経済学/機械学習の活用
〜因果推論や強化学習の応用例〜
テック企業の現場における経済学の活用例として、オンライン広告の広告選択におけるバンディットアルゴリズムの応用や、個人異質性を考慮した広告効果の推定、ゲームにおける強化学習の応用などについて説明します。
東京大学経済学部卒, 内閣府入府。経済対策の策定などに携わる。
2015年ニューヨーク州立大学アルバニー校経済学Ph.D.取得。
2017年サイバーエージェントに中途入社。位置情報広告プラットフォームAirTrackのデータサイエンティストを経てAILabリサーチサイエンティスト。AI Lab研究員として経済学や機械学習、マーケティングサイエンスなど幅広い分野における応用研究を行う。
Dynalyst 藤田 光明
2018年東京大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、サイバーエージェントに入社。
AI事業本部Dynalystでデータサイエンティストとして、Real Time Biddngにおける広告クリエイティブ選択や入札ロジックの改善などに従事。
最近の関心はプロダクトグロースに貢献するようなA/Bテスト(RCT)の設計・評価・フローの改善をすること。
学生時代の専攻は実証産業組織論・計量経済学。
因果推論の知見がテック企業の課題をどう解決するか?
アドテクノロジーにおける課題を因果推論の知見がどう解決するかについて、「バンディットのオフライン評価」と「遅れコンバージョン問題」という2つの事例を紹介します。
バンディットとは複数のアームと呼ばれる候補の中から最も良いものを逐次的に探すアルゴリズムのことで、そのオフライン評価とは「仮に新しいアルゴリズムを導入していた場合どのような報酬を得ていたか」という反実仮想を考えるものです。また、遅れコンバージョン問題は、機械学習における正解データの観測が遅延する問題と解釈することができます。
AI Lab 阿部 拳之
2017年に東京工業大学大学院総合理工学研究科を修了後、株式会社ハル研究所でゲーム開発に携わる。
2018年にサイバーエージェントに入社し、AI Labでは強化学習や不完全情報ゲームに関する研究に従事。
多人数不完全情報ゲームにおけるAI開発
世の中の多くの問題は多人数不完全情報ゲームとして捉えることができます。不完全情報ゲームは完全情報ゲームにはない困難さを持っており、目に見えない情報を考慮した上で意思決定を行うような戦略を作り上げる必要があります。そのような困難さに対処するために、多人数不完全情報ゲームにおけるAI開発では、ゲーム理論や強化学習を用いたアプローチがしばしば用いられます。
本発表では、麻雀や花札・ポーカーを事例として、多人数不完全情報ゲームにおけるAI作成へのアプローチをいくつか紹介します。
AI Lab 加藤 真大
2020年に東京大学情報理工学系研究科を修了。専攻は機械学習、および経済学。
2020年株式会社サイバーエージェントに入社。
効率的なA/Bテストのための実験計画
昨年度のノーベル経済学賞がランダム化比較実験を用いたアプローチに関する功績に与えられ、近年では企業においてA/Bテストが普及しているように、データと実験に基づく処置や政策の評価が一般化してきています。本発表では、A/Bテストなどにも応用可能な、機械学習や経済学における逐次的にデータが手に入る状況での実験計画の最新の研究動向を紹介します。
ゲストスピーカー 谷口 和輝さん
スタートアップの立ち上げ、フリーランスとして機械学習の研究開発をメインに活動中。
2014年株式会社サイバーエージェントに新卒入社し、
アドテク本部の研究開発チームを立ち上げ、主にDSPの広告配信アルゴリズムの研究開発を担当。
その後、AI Labの機械学習チームで主にCounterfactual MLや推薦の研究に従事。
経済学者に知ってほしい機械学習-反事実モデルによる予測
近年、機械学習のトップカンファレンスでも経済学の知見を活用した論文が増えています。本セッションでは、機械学習の基礎的な部分を説明し、特に因果推論で用いられる反事実モデルに関する機械学習の技術について紹介します。
AI Labでは今年も博士後期課程の学生を対象としたテーマ選択式型インターンシップの募集を開始いたしました!
当日社員のセッションを聞き、ご興味をお持ち頂けた方は、こちらから詳細をご確認の上、ご応募ください。
また、AI Labでは一緒に働く研究員も募集しております!
カジュアル面談の場もご用意しておりますので、当社に関して気になることがございましたらお気軽になんでも聞いてください。
詳しい募集内容については、下記に掲載しておりますのでご確認ください。
・JREC-IN
・American Economic Association
今回の日経学会はオンラインでの開催となりますが、
ぜひセッション後のコミュニケーションタイムではざっくばらんにお話ができると嬉しいです。
オンライン上でもたくさんの方とお会いできることを楽しみにしています。
それでは、皆さまの聴講、そしてコミュニケーションタイムへのご参加、お待ちしております!
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