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知財戦略を遂行できる研究組織の設計とルールメイキングをレクチャー 〜AI Labの岡本大和が経営学部の学生に向けて講義をしました〜


2025年5月29日、AI Labの岡本大和が立命館大学の講義「組織とマネジメント ー事業開発とルールメイキング思考ー」にゲストスピーカーとして登壇しました。経営学部の学生に向けて、AI Labで取り組んでいる知財戦略を遂行できる組織設計とルールメイキングについて実例を踏まえながらレクチャーしました。

なぜ研究組織に知財戦略が求められるのか?

冒頭では、なぜ研究組織が知財戦略を遂行するのか、ビジネスと特許法の基本と照らし合わせながら必要性を解説しました。そのうえで、研究成果の新規性だけを強調して特許出願しても事業貢献に値する知的財産は形成できず、事業部門および知財部門と連携しながら研究成果を戦略的に出願することの重要性を解説しました。

 


ただ「コミュニケーションを頑張る」では失敗する

講義で特に強調したのは、仕組みや制度設計レベルの工夫をしなければ適切な部門連携は実現できない点です。単に定期的に会議室に集まったり、「コミュニケーションを頑張る」といった姿勢だけでは、前提知識のギャップを埋められず、的確な意思決定にもつながらないことを警告しました。その上で、現場で実際に機能する実践的な組織設計とルールメイキングを紹介しました。


受講生から届いた学びの声

  • 経営学とは理論の集合ではなく、理論と実践が結びついた学問だと改めて実感しました。
  • 経営学を学ぶ意義をより強く感じました。今後は「技術を活かす仕組みづくり」が経営戦略において重要であることを念頭に置いて、学びを深めていきたいです。
  • 企業の研究現場はどうなっているのか疑問でしたが、研究がどのように社会価値や事業成長に繋がるのかを説明して頂きイメージが湧きました。
  • 研究と事業の橋渡しができる人材がこれからの社会に必要だと気づき、自分自身がそのような人材になりたいという目標を立てられました。
  • 新たな役割を定義したり、仕組みを設計していく「ルールメイキング」の重要性を実感し、今後さらに深く学びたいと感じました。

こうした声から、現場に根ざした実践的な視点が受講生にとって新鮮かつ刺激的だったことがうかがえます。研究と経営をつなぐ視座を得たことで、将来のキャリアや学びへの意識が変わったという感想も見られました。


おわりに

今回の講演を通じて、経営やマネジメントを学ぶ学生にとって、研究活動が単なる技術や学問の話にとどまらず、企業の競争力や成長戦略といった“経営そのもの”に直結していることを実感して頂けたのは大きな成果でした。あわせて、研究成果を事業成果へとつなげるうえで、知財戦略が不可欠であるという点を理解して頂けたことも非常に意義深いものでした。

AI Labでは今後も、AI技術の研究から社会的価値の創出まで一気通貫で推進する新しい研究組織の在り方を確立し、実務に根ざした知見を社会に還元していきます。