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迷ったらこれ!エンジニアの行動規範「AdTech Maxims」第1回 ~AdTech Maximsとは~
皆さんこんにちは、サイバーエージェント、アドテクスタジオの伊藤(@wildtiger0713)です。
エンジニア組織の文化創りと活性化に日々向き合っています。
今回はアドテクスタジオのエンジニア文化の一つであり、アドテクノロジーに向き合うエンジニアとしての行動規範でもある「AdTech Maxims」を紹介させて頂きます。
AdTech Maximsは、アドテクスタジオのエンジニアが何かしらの広告システムを作っていこうとした時に、常に気に留めておきたいこと、意識して取り組んでいきたいこと、これまで意識せずに行ってきたそういった暗黙知を、形式知としてきちんとまとめることで、何かに迷った時の行動の指針であったり、判断のよりどころにするために策定されました。
Adtech Maxims
AdTech Maximsは、以下の4つのセンテンスで構成されています。
<性能へのシビアな要求に向き合う。>
広告システムは扱うデータ量も非常に大きく、常にレイテンシーやスループットに対する高い性能が求められます。その厳しい要求に目を背けることなく性能にこだわり続けることで、広告がユーザーの目に触れるチャンスも広がり、それがプロダクトの成果にもつながります。本当に今の設計や処理方法でよいのか、常識を疑い振り返ることもときには大切です。
<スピードと品質を両立させる。>
スピードと品質のように、本来トレードオフの関係にあるものを両立させて欲しいと言う要求はよくある話です。そんな時、今作ろうとしているものが本当に必要なものなのかをエンジニア一人一人がきちんと考えてみてください。無駄を省きシステムをシンプルな状態に保つことを心がけましょう。目の前の課題を少し違った角度でとらえてみることで、一見、相反しているように見える要求も実は両立できたりするものです。
<経験よりデータを。直感より分析を。>
リリースした機能が期待通りの効果を出せているのかを見極めるのは意外と難しいものです。実は予期せぬ別の要因によって効果が出ているように見えているだけかもしれません。データに向き合い、要因を見極め、自分たちのしていることをきちんと理解しながら進んでいくことがアドテクスタジオのエンジニアには求められています。
<有益な情報を伝えることが広告である。>
広告は邪魔なものだと思われがちですが、有益な情報をそれを必要とする人に的確に伝える技術力があればそれは価値あるものに変わります。広告システムの先には常にユーザーがいること、その人たちにどのように情報を伝えるべきなのかを常に意識して開発を進めていくことが大切です。
日々のプロダクト開発の中で、こういった状況、きっと誰にでも思い当たる経験があるかと思います。エンジニアは常に大なり小なり様々な判断を迫られています。時に相反する要求に応えなければならないこともありますが、そんな時、迷った時は「AdTech Maxims」。アドテクスタジオのエンジニアはいつでもここに立ち戻って、正しい価値観に基づいてフラットに最善の判断をしていくことができます。
オフィスにもポスターが貼られています。
次回からは各プロダクト開発チームのキーマンに、AdTech Maximsの各センテンスにまつわるエピソードや考えをヒアリングしてきたいと思います。
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