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日本経済学会秋季大会に参加しました!
10月13日に開催された日本経済学会秋季大会@神戸大学に参加してきましたのでその内容を報告します。
日本経済学会は春と秋の年2回年次大会を開催しており、日本全国そして海外から経済学研究者が集合し、2日間かけて多数の分野別のセッションや、企画セッション、特別講演などが行われます。
今回は、台風19号の影響で2日めの13日のみの開催となりました。
そのため事前に予定していたイベントのうち、弊社企画セッションは中止となりましたが、若手セッション、パネル討論「企業の中の経済学」での登壇、そしてブース出展を行うことができました。
ブース出展
ブースでは、大学教員、院生の方々に多数お越しいただき、弊社の研究活動やその内容について紹介、議論することができました。企業がどのようなデータを使って研究しているのか、また企業での研究に必要なスキルはなにか、などについてご関心をもっていただけたようでした。
若手セッション
若手セッションでは、AILab経済学チームリーダーの安井が登壇し、若手経済学者が国内テック企業で就職する際の現状について解説を行いました。企業における経済学徒の認識の現状などについて様々な質問を頂きました。
パネル討論
また、パネルセッション「企業の中の経済学」では、大阪大学の大竹文雄教授のファシリテーションの下、東京大学の渡辺安虎教授、Yale大学の成田悠輔助教授、ZOZO研究所の松谷恵ディレクター、弊社取締役内藤が登壇し、現状の経済学の企業内での立ち位置や今後さらに企業内で経済学の活用が進むために必要な条件について率直な意見交換がなされました。
成田先生からは、機械学習に比して低調な経済学の実ビジネスでの応用がどうすれば爆発的に広まるのかについてご提案があった一方、渡辺先生からはテックジャイアントでのご経験に基づき、経済学のスキルの活かせるのは、日々のオペレーションに直接的に関わる機械学習エンジニアとは違って、データが限定される中でも重要な判断をしなければならないといった、より上流の意思決定の場面にあるのではないかという指摘がありました。ZOZOの松谷さんと弊社の内藤からはビジネスサイドから実態について説明がありました。
「企業の中の経済学」というタイトルに沿ってまとめると、現状は一部のテックジャイアントを除けば、経済学(者)は使いどころがよくわからない存在になっているので、経済学側は企業サイドへのアピールが不可欠であり、企業側は説得的な実例を作っていくことが大事ということでした。我々企業内経済学系リサーチャーは実績を作るためにも頑張っていく必要があると思いました。全体を通して大竹先生の軽妙なファシリによって和やかで楽しい雰囲気のパネルになっていてとても楽しかったです。
おわりに
日経学会には、2016年の名古屋大学で発表して以来何度も参加していますが、毎回来るたびに日本の経済学コミュニティの密度の濃さ、暖かさを感じます。今回できなかった企画セッションについては日を改めて実施したいと思っております。どうぞよろしくおねがいします。
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