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サイバーエージェント ベストエンジニアインタビュー (AI Lab 馬場 惇)


4/7(金)に行われたサイバーエージェントグループ総会 2017にてアドテクスタジオから2名の「ベストエンジニア賞」受賞者が生まれました!(全社で選ばれる5名のうち2名がアドテクスタジオから選出!)

 

今回はその2名の受賞者、AI Lab所属 馬場 惇(ばばじゅん)、AI Messenger所属 横道 稔(よこみちみのる)の2人から、それぞれが担当しているミッション、エンジニアとしての働き方、思い描いているビジョンなど、普段なかなか聞けない深い話をクローズアップして聞き出したいと思います!

 

 

 

 

 

第1回目は人工知能をアドテクノロジーに活用するためのAI研究組織「AI Lab」にてグループリーダーを務める馬場 惇にインタビューを行い、普段考えている頭の中を少しだけ覗かせてもらいました。(インタビュアー:サイバーエージェントグループ総会 2016 ベストエンジニア賞受賞 長谷川 誠)

 

 

 

 

— ベストエンジニア賞受賞おめでとうございます。まずは現在担当されている業務やミッションを教えてください。

ありがとうございます。今はAI Lab 対話グループのリーダーとして人とエージェントの対話の研究をしています。4月からは大阪大学 石黒研究室との産学連携の元、阪大に常駐して研究を進めることになりました。3~5年単位での腰を据えた研究開発がテーマになります。(参考:https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=13513

 

 

 

— 具体的にはどのような研究をされているのですか?

チャットボットによるWeb接客やカスタマーサポート、またはリアル店舗でのロボット接客において人がエージェントと話す時、チャットボットやロボットがどういったインタラクションをしたら、苛立ちなどの人の感情の高ぶりを抑止して情報を吸い上げ、課題の解決に近づけることができるか。納得感を生む接客の原理、調和的な対話エージェントの研究を行っています。

 

 

 

— 人の感情に寄り添う研究をしてるんですね。長期間に渡っての研究になるかと思いますが、どうしてこの研究に加わる道を選ばれたのですか?

この話を受けた時、ちょうど自分自身の技術レベルにあまり成長実感を持てていない時期でもあり、それに対する焦燥感も感じでいたため、これをチャンスと捉えてじっくりと腰を据えて自分の実力を養う機会にしたいと思い参加することを決めました。元の組織では自分はマネージメントレイヤーにも当たるためMTGなどに割かれる時間も多かったですが、今の研究室では自分が一番下っ端になるので会議稼働に時間を割かれることもなく、ひたすら研究に勤しむ時間が持てるのがいいです(笑)

 

 

 

— 研究期間中、将来その研究成果を利用することになるアドテクスタジオのプロダクト側との意思疎通はどのように行っていくのですか?

最初は、あいつ何やってるんだろう、役に立つのそれ(笑)ぐらいの感じで見ていてもらえればいいかと思っています。研究開発はベンチャー企業の立ち上げと同じように、最初はみんなに笑われるような世界観を思い描いている人たちがそれに真剣に向き合っていくもので、やっていくうちに徐々にこれは本当に使えるようになってきたぞ、と周りの見方が変わっていく、そういうものだと思います。研究が進んできたら、徐々に自分からプロダクト側に情報を共有をしていくので、それを見て何かに使えるかも、こういうことができる世界観だったらこういう案件で使えるのではないか、そういった素材を見つけていくところをプロダクト側と一緒にやっていきたいと考えています。

 

 

 

— 将来の事業競争力の源になるであろう研究を3~5年という長い期間をかけて腰を据えて進めるという働き方はサイバーエージェントの中でも珍しいですよね?

たぶんこういった長期間にわたる研究開発をミッションとしているチーム、組織はサーバーエージェント全体でも他にないのではないかと思います。AI Labの中では他のメンバーも同じように長期的な研究テーマを個別に担っていますが、その中でも自分は大学の研究室に常駐するという、より振り切った形を取らせてもらっています。

 

 

 

— 事業上の競争力となる技術の移り変わりもとても早い業界だと思いますが、馬場さんが今行っている研究テーマは3~5年という長期的なスパンで考えても必ず必要となる技術だと確信を持たれているということでしょうか?

自分が今の組織に加わってから丸3年たちましたが、加入当時これからはこれがやれるようになるべきだと考えていたものが、もう必ずやるべきものとなっていて、今も残っている。広告の画像特徴からの効果推定やCTR、CVR予測の研究など当時自分が行っていたものが、今はスタンダードに各プロダクトに導入されるようになっている。そのことが自分の中での確信に繋がっています。アドテクスタジオのプロダクトが大きく成長するチャンスは今後も必ずやってくるはずで、その時までに準備がきちんとできているかできていないかで、そのタイミングでぐっと伸びることができるかが決まります。そういった競争力になるコアな技術の研究に時間をかけてきちんと取り組める環境というのは自分にとってとてもありがたいものです。

 

 

 

— 馬場さんが今後のキャリアとして思い描いているビジョンを教えてください

自分の中では、GraphLabという機械学習のライブラリを作っていたTuriの例のように、大学での研究開発からスタートして大きな事業に育てるところまでをやってみたいという考えがあります。GraphLabの元となる概念の研究論文は大学の中で行われてきた研究テーマから生まれました。こういったフレームワークにすれば省メモリーで並列に処理を行うことができるという研究論文を元に、それを応用して機械学習のライブラリを作ることで単体のPCでも何億レコードのデータ処理を可能とするプロダクトが生まれ、事業化されて成功を収めました。今、自分が行っている研究においても、研究成果を元にプロダクトを開発し、それを事業化してくという技術ファーストでのプロダクトの開発、そういったことを行える研究者上がりの経営者になっていきたいというのが今思い描いているキャリアのビジョンです。

 

 

 

— 最終的には研究開発だけでなく、それをベースにしたプロダクト開発、事業化までを自分の裁量でやっていきたいのですね?

自分の中で技術者から経営者になった人たちをリストアップして調べてみたのですが、どの人もある一点においてはエンジニアリングでトップレベルのスキルを持っているんですよね。きっと自分がエンジニアとして培ってきた自信や信念といったものが、経営者になった後にも決断の軸になっているのだと思っています。そういった強い意思決定をできるだけの技術的な強みをこれからの3年で作っていき、そこで得た成果と信念を武器に世界的なプロダクトを生み出せる経営者になっていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

大学の研究室に常駐しながら長期視点でアドテクの次のコア技術の開発に挑戦するという馬場さんのワークスタイルが、サイバーエージェントのエンジニアの新しいロールモデルになっていくことに期待が高まりました。

次回はもう一人のベストエンジニア賞受賞者、人工知能を活用したチャットプラットフォームサービス「AI Messenger(https://www.ai-messenger.jp/ )」でプロダクトマネージャーを務める横道 稔にインタビューを行い、頭の中を聞きだしたいと思います!

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atsuki

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