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AI Lab、理化学研究所・前原氏との共著論文「ブランディング広告のための入札戦略」が人工知能分野の国際会議「IJCAI」にて採択


株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)における人工知能技術(※1)の研究開発組織「AI Lab」は、当社の成田敦博・馬場惇らと、理化学研究所革新知能統合研究センター離散最適化ユニットの前原貴憲ユニットリーダーによる共著論文が、人工知能分野の国際会議「IJCAI-ECAI-2018」(※2)に採択されたことをお知らせいたします。

「IJCAI(国際人工知能会議)」は、世界中の様々な人工知能分野の研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「NIPS」「ICML」「KDD」「AAAI」(※3)などと並んで、人工知能分野で権威ある国際会議の一つです。2018年は「ECAI(欧州人工知能学会)」と共同開催であり、この度「AI Lab」から採択された論文は、2018年7月にスウェーデン・ストックホルムで開催される「IJCAI-ECAI 2018」で発表されます。

■研究背景
「AI Lab」ではアドテクノロジーに関わる幅広い人工知能技術を研究開発しており、大学・機関との産学連携を強化しながら広告を取り巻く様々な技術課題に取り組んできました。本論文の主著で、理化学研究所革新知能統合研究センター離散最適化ユニットの前原貴憲氏とは、2016年より共同研究を進めており、リアルタイム入札(Real-Time Bidding)と呼ばれる配信技術において、オークション理論・オンライン最適化などを用いた配信アルゴリズムなどについて研究を行ってまいりました。

■論文研究の説明・概要
このような取り組みのもと、今回採択された共著論文 「Optimal Bidding Strategy for Brand Advertising(ブランディング広告のための最適入札戦略)(※4) 」では、インプレッションのたびにオークションが開催され、オークション勝者に広告表示権が与えられるリアルタイム入札において、ブランディング広告の効率的な配信手法を提案しています。

ブランディング広告は、クリックやコンバージョンなどの短期的な指標ではなく、企業やサービスのブランド認知率を高めることを目的とした広告形式で、ブランド企業のデジタル広告活用が進むなか、今後更なる需要拡大が予想されています。

この論文では、心理学者のヘルマン・エビングハウスによって導かれた、人間の脳の「忘れる仕組み」を表した「エビングハウスの忘却曲線」を利用し、ユーザーのブランド認知率を最大化するオンライン最適化アルゴリズムを提案しました。これにより、「新規ユーザーには積極的に配信する」「すでに十分認知度が高いユーザーには広告配信を抑える」などといった配信の制御ができるようになり、リアルタイム入札の「ユーザーごとに細かい配信を行える」という強みを活かすことで、より効率的なブランディング広告施策が見込めます。

■広告展開への期待
従来、このような配信制御を行うためには、ユーザーに広告を見せる回数を配信システム上で機械的に上限を設けるなど、人による運用で対応せざるを得ず、作業時間を要していましたが、今回の技術を利用することで、ユーザーひとりひとりのブランド認知度と広告主の配信予算の双方を考慮した、よりきめ細かい配信制御がリアルタイム入札時に可能となり、ブランド認知度のリフトアップに大きな効果があると見込まれております。さらに、アドネットワークなどリアルタイム入札以外の形式のブランディング広告へも応用できることが期待されます。また、今回の提案は今後当社からリリースを予定しているブランディング企業向けの広告プロダクトにも導入を予定しております。「AI Lab」は今後も人工知能を用いた広告配信技術をプロダクトに取り入れるべく産学連携を推進するとともに、ブランド企業のマーケティング活動を支援する、より品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。※1 人工知能とは、コンピュータ上において、人間と同様の知能を実現させようという試みや技術のこと。

※2 「IJCAI」 International Joint Conference On Artificial Intelilgence
「ECAI」European Conference On Artificial Intelligence
※3 「NIPS」 Neural Information Processing Systems
「ICML」International Conference on Machine Learning
「KDD」International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining
「AAAI」Association for the Advancement of Artificial Intelligence

※4 :Takanori Maehara, Atsuhiro Narita, Jun Baba, and Takayuki Kawabata (2018): “Optimal Bidding Strategy for Brand Advertising”, in Proceedings of the 27th International Joint Conference on Artificial Intelligence and the 23rd European Conference on Artificial Intelligence (IJCAI-ECAI’18), Stockholm, Sweden, July 13–19, 2018.

関連組織

■アドテクスタジオ
AI Labが所属する、サイバーエージェントグループのアドテクノロジー分野をはじめ、AI・ロボットサービス分野における各サービスの開発を行うエンジニアの横断組織です。2013年10月1日に設立し、現在では4つの子会社を包括し、約200名のエンジニアによって、RTB広告を支えるSSPやDSP、AI・ロボットサービス事業など約20のサービスを提供しております。

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