CCSE | AI tech studio https://cyberagent.ai AI事業本部は、サイバーエージェントグループのデジタルマーケティング分野におけるサービス開発を行う組織です。 Tue, 19 Dec 2023 10:33:57 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.3.26 Interactive Agent チームによる研究紹介 https://cyberagent.ai/blog/research/agent/19074/ Tue, 19 Dec 2023 10:33:57 +0000 https://ai-blog-admin.cyberagent.ai/?post_type=blog&p=19074 サイバーエージェント AI Lab Interactive Agent チームの岩本です。 Interactive Agentチームによる研究を紹介します。

チーム概要

AI Labはサイバーエージェント内にある研究組織です。企業の組織ですが学会発表などの学術貢献も積極的に行っています。2016年に設立された比較的若い組織でありますが、AI研究をリードする企業として日本で4位、世界で49位として評価されています[1]。

AI Labには大きく分けて5つの研究領域を対象に複数のチームが存在し、約70名のリサーチサイエンティストが在籍しています。私が所属するInteractive Agentチームでは「ヒトが信頼したくなる対話エージェント」の開発を目指し、自律的な接客対話エージェントや遠隔操作ロボットを用いた遠隔接客、ユーザの行動を変えるインタラクションについての技術開発に挑戦しています。 チーム紹介ページ

 

 

メンバーはAI技術の社会実装を目指すリサーチエンジニアと、トップカンファレンスや事業に貢献する研究を行うリサーチサイエンティストが約10名所属しています。 複数のプロジェクトに従事していますが、今回のブログでは、販売促進を行うエージェントの研究に絞って紹介します。実際の店舗にエージェントを設置して販売促進をする研究は、世界的に見ても数少ない研究事例であり、実際のビジネス事情も考慮した研究を実施できていることは、我々のチームの特徴でもあり強みでもあります。

そしてもう一つの特徴として2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでいます。メンバーの多くが大阪大学に招聘研究員として参画し、大学内の研究室でも活動をしています。

販促とHCI

販売促進は、消費者の購買意欲を高めてもらうために行う活動のことを指します。身近なところでは、POP、デジタルサイネージ、クーポンやサンプル配布、実演販売、などが挙げられます。これらは「セール情報」「商品情報」などのメッセージを様々な形で伝達し、商品の良さをユーザに伝えます。 しかし、販促を行ったからと言って、ユーザに情報が適切に伝わるとは限りません。ユーザは頻繁に目にする広告やプロモーションコンテンツに対して無意識に無視する傾向があると言われています[2]。また気がついてもらうために派手な演出や大きな音を使ってしまうと、不快感を与えてしまうなどの問題や課題が存在します。

我々はこのような現実世界での販売促進の課題を解決するためにHCIやAIロボットなどの最新技術の研究を行っています。販促に関する実験のほとんどは営業している店舗内で実験し、リアルなデータを分析しています。これまでにスーパーマーケット、空港内のお土産屋、雑貨店、ECサイト、パン屋、コンビニエンスストア、高級寝具展などで実験を行い、その結果を論文などで報告しています。

 

研究紹介

Interactive Agentチームでは、主にロボットなどのエージェントを使って販促の実験を行っています。ロボットは人のような振る舞いを行うことで、対話相手と認識されやすく、他の広告媒体では難しかった対話や信頼関係を構築したり、注意を向けられたりしやすいといった特徴が確認されています。 これまでの研究では、ロボットによる販促がどのような特性を持ち、可能性があるかを明らかにしてきました。今回はその中から3つ概要を紹介します。

研究1

タイトル:Influence of collaborative customer service by service robots and clerks in bakery stores リンク

学会/論文誌名:Frontiers in Robotics and AI

概要:近年ではソーシャルロボットを用いた商品推薦の研究事例が増えており、効果の高いロボットの対話戦略や動作の調査がされています。一方で顧客への推薦能力は、ロボット自身の振る舞いだけでなく、店舗スタッフなどロボットの周囲にいる人々によっても影響を受ける可能性があります。そこで本研究では、ロボットと店舗スタッフが協業した接客をすることによって、社会的影響力が向上し、結果としてロボットによる推薦能力が向上する可能性を検証しました。店舗スタッフとの協業接客の有無による効果を検証するために、ベーカリーの2店舗で同時実験を実施しました。実験の結果、店舗スタッフとの協業接客により、ロボットの推薦能力が向上し、ロボットに対する顧客の印象や店舗体験が向上することが分かりました。

知見:店員と協業することで接客ロボットの効果は向上する

研究2

タイトル:Out for In!: Empirical Study on the Combination Power of Two Service Robots for Product Recommendationリンク

学会/論文誌名:HRI 2023

概要:本研究では、店内に1台のみ設置した状態より、複数台(店頭/店内2台)のロボットが連携を行い商品推薦を行うことで、より高い推薦効果が得られるかを調査しました。実験は大阪府内にあるベーカリーで実施され、下記の3条件を比較しました。

・ベースライン:ロボット設置無し
・条件①: 店内に1台のロボットを設置して商品推薦を行う
・条件②: 店内に1台のロボットを設置して商品推薦を行う上、店頭にもう1台のロボットを設置し、店内ロボットと連携して商品推薦を行う

→店頭のロボットは「店の中に僕の弟の〇〇(店内ロボットの名前)がいるよ!弟が商品にとても詳しいのでぜひ話に行ってみてね!」などと店内にロボットがいることを来店客に伝えるなどの連携を行いました。

その結果、条件②では、推薦商品の販売率(販売数/製造数)がベースラインと条件①より有意的に高いことがわかりました。一方、条件①はベースラインと統計的に有意な販売率の差は確認できませんでした。さらに、条件②では、「買い物客が店内ロボットを見た率」、「ロボットが推薦した商品を確認した率」、「推薦商品の購入率」が、条件①よりも有意的に高いことが分かりました。
これらの結果から、複数台(店頭店内2台)のロボットが連携し、店頭ロボットが紹介することで「来店客の店内ロボットへの注意」が高まり、商品推薦効果が向上することが確認できました。

知見:事前にロボットの存在と役割を伝えることで、そのロボットに対する注意が向上する

 

研究3

タイトル:Playful Recommendation: Sales Promotion That Robots Stimulate Pleasant Feelings Instead of Product Explanation リンク

学会/論文誌名:IEEE Robotics and Automation Letters(RA-L)

概要: 一般的にロボットによる商品推薦は、商品や店舗などの状況に応じてセリフや振る舞いを準備する必要があります。そのため、商品や状況が変化するたびにそれらを準備する必要があり、商品推薦の度に労力が必要になります。そこで本研究では、商品情報の代わりに快感情を刺激し、状況に依存しない販売促進方法である「Playful Recommendation」を提案しました。Playful Recommendation の効果を検証するために2度の実証実験を実施し、提案手法が有効であることが実験結果から示唆されました。また商品が自らを推薦する自己推薦ロボットでは販売数が 667% 増加するなどの有効性を確認しました。

知見:低関与商材を推薦する場合は快感情を刺激すると、購買意欲を高めることができる

インターン情報

AI Labでは2018年からリサーチインターンシップを開始しています。博士後期課程の学生を対象にしており、 2ヶ月間で研究計画・実装・実験を行いトップカンファレンスを目指します。 リモートでも参加可能なのでぜひご応募お待ちしています。 リンク

登壇情報

2023年12月22日(金) に東京大学でCCSEという民間企業による研究カンファレンスを開催します。今回は15社が登壇し、LLM、アルゴリズム、CV、ロボットなど様々なテーマの発表を行います。AI Labも登壇するのでみなさんぜひご参加ください。サイト

[1] AI Lab、2022年のAI研究をリードするトップ100企業にランクイン!日本4位、世界49位へ https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=28134

[2]Dalton, Nicholas S., Emily Collins, and Paul Marshall. “Display blindness? Looking again at the visibility of situated displays using eye-tracking.” Proceedings of the 33rd Annual ACM Conference on Human Factors in Computing Systems. 2015.

]]>
CCSE2018開催報告 https://cyberagent.ai/blog/research/150/ Fri, 06 Jul 2018 04:00:40 +0000 https://cyberagent.ai/research/?p=150 2018年7月1日 明治大学中野キャンパスにて9社合同の研究カンファレンス
“CCSE2018(Conference on Computer Science for Enterprise)“を共同開催いたしました。
私(岩本)は運営委員長として運営に参加しており、今回の開催に至って経緯をまとめます。

CCSE2018とは

CCSEは企業の研究所が中心となって研究発表を行うイベントです。
企業研究所では自社サービスの発展やイノベーションを起こすことを目的とした研究が行われています。CCSEはそのような企業研究を議論・発展させ、企業の研究を広く認知してもらうことを目的に開催に至りました。マシンラーニングやコンピュータビジョンなどのAI技術や、ロボット、IoT技術など、幅広い領域の研究について一日で触れることが可能です。そしてCCSEは発表を「聞く場」ではなく、「議論する場」として存在します。(ウェブサイトより)

9社が20以上の研究を10分で発表し、聴講者と議論が行われました。想像以上に議論が活発に起きとてもよかったと思っています。

CCSEを開催した理由

”研究にとって非常に大きな機会損失が日常的に起きている”という危機感からCCSEを企画することにしました。

議論する場が足りない

研究者にとって議論は研究を発展させるだけではなく、新たな知識を得るために非常に重要な要素です。学会は議論する場として非常に重要で弊社も積極的に参加しています。しかし、企業の研究は「学術的な新規性が少ない」などの理由から学会で発表できないケースが存在します。そのような場合は社内の研究者同士で議論を繰り返しますが、それだけでは十分ではないことがあります。

企業研究所の認知が少ない

「研究者になりたい」と思った時に自分の研究がどこでやれるのかすぐにイメージがつく人は少ないのではないでしょうか?学会に参加していると企業の研究を見ることはありますが、それだけでは研究所の全容はなかなか見えずらいと思います。もしかすると自分の研究がその企業とマッチングするのにその機会を「知らない」というだけで失っているのかもしれません。
研究所には大きなミッションがあり、そのミッションを他の方々と共有することで、企業の研究所の名前を覚えるだけではなく「何をやっているのか」、「何を目指しているのか」を覚えてもらえるのではと思っています。
そのためウェブサイトには発表内容だけではなく、発表者の経歴が見えるページも準備しました。研究者だけではなく、どのような研究者が発表しているかも知ることができます。

共感してくれる他社の研究者

上記の問題を解決するためにCCSEの構想は3年前から行っていました。CCSEを開催するために最も重要なのは「多くの研究所が共同で開催すること」だと考えていたので、他社の協力は必要不可欠でした。そこでまず、楽天技術研究所、メルカリ、Unity Technologies Japanの方々に今年の2月に相談するとすぐに7月開催でやろうという話になりました。そしてスタートトゥデイテクノロジーズ研究所さんの協賛が決まり本格的に運営準備に入り最終的には9社の発表が決まりました。
開催場所も特定の企業のオフィスではなく、学術の場として大学を利用するということもその日に決まりました。

運営

かっこいいカンファレンスを作る

私はCCSEを絶対「かっこいいカンファレンス」にすると決めていました。「CCSEの壇上に上がりたい」そう思ってもらうためには発表のクオリティだけではなく、運営も手を抜けません。そのために運営委員と広告、動画、パンフレット、バックパネルそして懇親会のメニューを徹底的にこだわりました。
そのおかげで初めての試みにも関わらず430名もの応募があり非常に活発な議論が繰り返されました。また発表者の方々からも好評で、来年も参加したいという声もいただきました。

今後のCCSE

現状集まっているアンケートでは100%の方々が「また開催してほしい」と回答してくださっています。この結果を踏まえ運営委員と議論を行います。ちなみにCCSEはこのイベントだけではなく、研究業界を盛り上げていく組織です。ライバル関係にある企業かもしれませんが、互いの技術力を向上させるために議論を行える場を今後とも作っていきます。

サイバーエージェントは今後も自社だけではなく学術領域そして研究業界が盛り上がる取り組みを積極的に行います。我々のビジョンに共感し、大きなビジョンを持っている研究者の方のご応募お待ちしております。

後半は発表された内容についてまとめます。

]]>
CCSE2018を開催!企業の研究をオープンにし課題を議論できる場へ https://cyberagent.ai/blog/pr/report_event/4219/ Mon, 02 Jul 2018 06:35:53 +0000 https://cyberagent.ai/?p=4219 こんにちは、技術広報(兼CCSE運営委員)の田爪です。

昨日7/1(日)に、ついに「企業研究に特化したカンファレンス」として
CCSE2018(Conference on Computer Science for Enterprise)を共催いたしました!
最終的に発表企業は9社、全25発表と、見ごたえのあるカンファレンスとなりました。

 

共催企業:CyberAgent、楽天、メルカリ、Unity、Start Today Technologies
*
*
開催のご挨拶は発起人である当社サイバーエージェントの岩本から。

当日は朝10時開始にも関わらず約400名の方にお越し頂きました!
当日、飛び入りで参加した学生の方がいらっしゃったりと、多くの方に企業における研究活動について知っていただけたと共に、かつ全ての発表において、職種を越えて質問が出る場となり、議論が活性化したことをとても嬉しくおもっています。

Twitterでもリアルタイムに感想を頂いており、次年度開催を期待する声も多く頂きました!
CCSE公式Twitter

こちらのTwitterハッシュタグでぜひ当日の様子もご覧ください!
#CCSE2018
#CCSE


当社、サイバーエージェントからは、4名が登壇し、AI Labでの取組みについてお話しいたしました。

▼AI Lab山口 「広告クリエイティブ制作と機械学習」

▼ロボットサービス事業部 岩本
「サイバーエージェントのアカデミックへのアプローチ」

▼AI Lab 馬場
「対話エージェントの積極的な介入による関係性構築の試み」

▼AI Lab 谷口
「AI Labにおける広告配信技術の研究開発について」

それぞれ10分の発表ではありますが、広く研究活動を知って頂くことができたと思います。
懇親会でも広告クリエイティブ制作や広告配信技術については、同業界である広告事業のエンジニア・研究者の方と議論が活発化しておりました。
対話エージェントについては新しい広告の形として多くの方にご興味頂くとともに、当社の産学連携の形についても知っていただける良いきっかけだったと思います。

当日の詳細は追ってリサーチャー・エンジニアのメンバーより投稿を予定しておりますのでご期待ください!

<補足情報>

当社のアカデミックとの取組みとしてTwitterで話題になったのは、
博士課程の学生を対象としたテーマ選択型の特別研究サマーインターンシップでした。

AI Labでは、学振のインターンシップ規制緩和を受け、優秀な若手研究者が限られた期間において
実務経験価値を向上させることができる機会を提供するとともに、これからの社会に必要とされる研究者育成に対して貢献していきたいと考えています。
CCSEもそうですが、企業とアカデミック、両方がより発展していく機会を創出していけたらと思っております!もうひとつご紹介した、アドテクスキルアップゼミ制度についてはこちら。
今回のCCSEや様々な自主企画イベントがこのゼミ制度から生まれています。
好奇心とチャレンジがスキルを磨く。「アドテクスキルアップゼミ」が生み出すカルチャーとは


当日の講演

エンジニアではなく、ビジネス職の立場からとなりますが、わたしがぐっと来たプレゼンを2つだけご紹介させてください。
(なぜ動画を撮らなかったのかと本当に悔やんでいます)

基調講演:「グローバル企業の中で「変化」を仕掛ける楽天技術研究所の挑戦」
基調講演として、楽天株式会社執行役員、楽天技術研究所代表の森正弥氏からお話し頂きました。

・2017年は66のPRJが立ち上がり、内42PRJでビジネス成果をあげている
・研究所の技術がリードとなり、新しいビジネスが起きる。

・企業研究所は常に変化を仕掛け続けていく。

研究や技術でビジネスをリードしていく、その意思や思いを強く感じるとともに企業研究所としての歴史も長く、かつ様々な分野での取組をされてきたからこそのお話しはとても興味深く、懇親会で多くの方が森さんに詳しくお話しを聞きに行っていらっしゃいました。
筑波大学との共同研究で実施されていたバーチャルスタイリングルーム、ぜひ体験してみたいです。

「Cygames Researchにおける技術研究とその実用化事例について:論文化・特許化・実用化の高速なイテレーションの実現」

株式会社Cygamesの「Cygames Research」から、慶応義塾大学院の特任准教授も兼任されている所長の倉林修一氏にもご登壇頂きました。

・企業がなぜ査読付き論文を書くのか 「オレオレ技術からの脱却」
・経営が外部監査を受けるのと同様に、研究開発も国際会議・論文の査読を受けることで監査を受けることが大事。

ユーザーにデバックをさせてはいけない、というキーワードもとても印象的でした。
今まで言語化しにくかったことをすっと落としていただけた感覚でした。

まとめ

 


クロージングの挨拶、楽天株式会社 楽天技術研究所 未来店舗デザイン研究室 シニアマネージャー 益子 宗氏

それぞれの企業で行っているR&D組織の立上げ方や考え方、
ビジネスとの融合や、技術を軸にしたビジネスの発展をより良い形に・かつスピードをもって展開していく取組みや工夫を知ることができ、CCSE改善の余地はもちろんありますが、とても有意義な場となったと思います。

今回、CCSEは企業が研究情報をオープンにすることで、より各企業の研究が発展することを期待し開催に至りましたが、各企業における、研究×ビジネスへの取組みかた、研究組織の体制、具体的な研究手法など様々な発表があったことできっと多くの方の・企業の何かヒントとなることがあったと思います!(そう信じています!)

当社、AI Labも切磋琢磨しながらどんどん進化していますのでご期待ください!
また、一緒に働きたい!サイバーエージェントのAI Labって何しているの?と
ご興味もってくださった方はぜひお気軽にご連絡ください 🙂

カジュアルランチはこちら

アドテクスタジオ・AI Lab 募集職種一覧

おまけ

※懇親会の様子とかわいいロゴバーガー

※当日、運営で走り回ってくれた 18新卒エンジニアと17ビジのみんな!
早朝からの設営、受付、マイクラン、SNS投稿、撤収まで全て自走していました!おつかれさまでした!

]]>